ものづくりを行う企業にとって、サステナビリティは大きな課題で、近年多くの企業が取り組みはじめています。しかしながら、カスタールでは1889年の創業以来、「環境への配慮」こそ、ものづくりの礎であると考えてきました。

1.受注生産により、過剰な在庫をもたない

カスタールのラグは、注文に応じて一枚一枚生産する受注生産です。その理由は二つ。一つは、ユーザーのニーズや使い方にフィットするラグを提案できるから。そしてもう一つは、倉庫に在庫が積み上がるような、過剰な生産を行わないというポリシーからです。

2.本社の隣、自社工場で作る

近年、効率を優先するため製造をアウトソースするメーカーも多いなか、カスタールでは創業から変わらず、スウェーデン・シンナ(Kinna)の本社となりにある自社工場でラグを生産しています。本社のとなりにあることで、製品の企画からデザイン、生産、仕上げ、出荷までの全工程を一括して管理できるため、品質がコントロールしやすいというメリットがあります。また、糸の染色工場をはじめとするサプライヤーは、なるべく工場に近接する企業と協力体制を組み、リードタイムの短縮と過剰な生産・輸送の抑制に努めています。

3.上質で漂白不要なニュージーランド産ウール

原材料の大部分はヨーロッパ各地から調達していますが、ウールの原毛は主にニュージーランド産。それにも理由があります。一つは、ニュージーランド産の原毛がカスタールが認める最高品質の素材であるため。そしてもう一つは、特有の明るさをもつニュージーランド産ウールは、染色前に漂白しなくとも美しい発色を実現でき、水や化学物質の使用を軽減できるためです。

4.カスタールの環境哲学を体現したHARVEST、FLOURISH

2018年に発表したウーブンラグのHARVEST(写真下右)、2019年に発表したハンドタフテッドラグのFLOURISH(写真下左)は、ラグの製造工程で出る残糸をアップサイクルするラグです。資源を大切にし、活用し、ラグのデザインに落とし込むというこのアイデアは、時代にマッチしたものであり、カスタールのものづくりにおいて無駄になるものが一切ないという、彼らが掲げる環境政策に沿ったプロダクトです。

ーKASTHALL’S ENVIRONMENTAL POLICYー

カスタールが掲げる環境政策をご紹介します。

■Design and Innovation (設計と革新)

長く愛着をもって使い続けられる、高品質なプロダクトを設計・開発し、環境への影響を最小限に抑えた再生可能な素材やプロセスを選択します。

■Tailor Made Solutions(テーラーメイドのソリューション)

カスタールのラグはすべてオーダーメイド。過剰生産によって天然資源を無駄にすることがありません。

■Premium(プレミアム)

顧客満足度の高い、高品質な素材と高い性能を提供します。

■Heritage and Craftsmanship(遺産とクラフトマンシップ)

今日の生産に責任をもつことは、未来への生産に責任をもつこと。カスタールのラグが長く使われ続け、未来の歴史の一部をつくるように。

■Passionate and Skilled People(情熱的で熟練した人材)

情熱をもって仕事に取り組む、熟練したスタッフが、長期的でサステナブルなアプローチで当社の主要な役割を果たしています。

■Sustainable(持続可能性)

カスタールの環境への責任はサプライチェーンのすべてに及びます。プロダクトの原料から生産、輸送、廃棄物、大気や水への排出、リサイクルや再利用の選択肢に至るまで含まれます。

TO GET THERE

・カスタールは、環境保護活動に取り組むリーダーと明確な戦略をもっています。

・カスタールは、環境に配慮した仕事に従事し、環境目標へ継続的に取り組むために、情熱をもって仕事に取り組み、熟練した意識の高いスタッフとともに、ものづくりを行います。

・カスタールは、サプライチェーンの上流で継続的な改善を達成するために、サプライヤーと協力体制をとっています。

・主要な環境側面について環境目標を設定して環境を保護するとともに、国家目標やグローバルな持続可能性目標を業務に取り入れています。

・カスタールの製品は、外部機関による環境監査を受けています。

・カスタールでは、積極的に拘束力のある要求事項を作成します。例えば、法律を最低レベルと見なし、予防原則に従って作業を行い、法律が成立する前に有害と疑われる物質を適時に段階的に排除します。

・カスタールは、グローバルで持続可能な開発というより大きな視点から自分たちの責任を見ています。