〈カーペット、絨毯〉

床全面に敷く敷物の総称です。カスタールでは、床全面に敷き込める製品もあり、「Wall-to-Wall carpet(ウォール・トゥ・ウォール カーペット)」と呼んでいます。

〈ラグ〉

床に部分的に敷く敷物のことです。一般的に、3畳程度の小さなサイズのものを指すことが多いのですが、カスタールではそれ以上のサイズをお受けするケースもあるため、全面に敷く場合以外は「ラグ」と呼んでいます。

ラグ、カーペット、絨毯は、その国や地域がもつ歴史や文化、暮らしを背景に、さまざまな製法やデザインが生まれました。その一部を、製法で分類してご紹介します。

1. 織物

ウーブン(平織り)

経糸と緯糸を組み合わせたもので、パイルがないものを指します。カスタールのウーブンラグはこの製法で作られています。トルコやアフガニスタン、イランの遊牧民によって作られるキリムも平織りの一種です。

カスタールのウーブン(織り)ラグは、経糸を張ったところに、シャトル(糸巻き)を左右に動かして緯糸を通して織り上げていく 

ペルシャ絨毯

イランで作られる手織り絨毯で、緻密な文様のデザインと複雑な色使いが特徴。その起源は約3000〜4000年前に遡ると言われています。素材はシルクまたはウールが使われ、経糸に横糸を結んで1本1本カットしてパイルを作りながら織っていきます。

 

ギャッベ・トライバルラグ

イランのザクロス山脈のふもとで遊牧生活をするカシュガイ族が作る毛足の長いギャッベやイランやトルコ、アフガニスタンなどの少数民族が作るトライバルラグも経糸に横糸を結んで11本カットしてパイルを作りながら織っていきます。素材はウール。

緞通(中国緞通)

中国の明朝時代、ペルシャ絨毯の技法がシルクロードから中国に伝わったのが発祥とされています。製法はペルシャ絨毯同様、経糸に横糸を結び、1本1本カットしてパイルを作りながら織っていきます。仕上げにカービングという浮き彫り加工が施されるのが特徴で、柄と柄の間に細い溝をつけることで立体感のあるパターンを作り出しています。素材はシルクまたはウール。

ウィルトン織り

手織り絨毯の風合いを機械織りで再現したもので、基布とパイルを同時に織り上げます。18世紀にイギリスのウィルトン市で作られたことが由来です。織りの密度が高いため丈夫。

2.刺繍

タフテッド

基布にミシン針でパイルを刺し込む機械刺しで、裏面に接着材をコーティングし、パイルを裏面から固定したもの。1950年代にアメリカで広幅のタフティング機が発明され、その後、日本でも普及しました。

フックド(ハンドタフテッド)

製法はタフテッドと同じですが、刺繍針を一本一本手作業で差し込んでパイルを作る方法。ハンドタフテッドとも呼ばれ、カスタールのハンドタフテッドラグは、この製法で作られています。

カスタールのハンドタフテッドラグは、職人が手で糸を打ち込んでいく。機械織りでは実現できない複雑な表現が可能