世界の名門ホテルでは、客室の床材にラグやカーペットが数多く採用されています。ラグとカーペットは装飾性が高く、ホテルの個性を表現する内装材として適しているだけでなく、すぐれた機能性をもっているからです。見た目の美しさ、心穏やかに過ごせる静けさ、すべらず安心で快適な踏み心地……そのすべてをかなえるのが、ラグとカーペットなのです。
高い保温性と断熱性
ラグやカーペットは、繊維の中に空気を多く含むため、保温性と断熱性に優れています。保温性は木質フローリングの5〜6倍で、省エネ効果は約倍あることが実証されています。つまり、熱伝導率が低いため、冬は温かく、夏は涼しく感じます。特にウールは空気をたっぷりと含み、吸湿性と放湿性が高いことから、一年中快適に過ごすことができる素材です。
ホコリやダニを舞い上がらせない
ラグやカーペットというと、ダニやホコリが出るというイメージがあるかもしれませんが、実はそうではありません。歩行を想定したハウスダスト (5~10μm=ダニアレルゲンの粒径に相当)の舞い上がり量は、カーペットはフローリングのわずか約10分の1であることが実証されています。
特にウール(羊毛)は、繊維が天然の油分でコーティングされているため、ホコリや汚れがつきにくいのが特徴です。また、繊維の一本一本がホコリや汚れの粒子をとらえて舞い上がらせないため、空気をきれいに保ち、アレルギーを引き起こすリスクを抑えます。
すぐれた防音性
ラグやカーペットの吸音性は、木製フローリングの倍以上で、階上の足音が階下でほとんど気にならない程度であることが実証されています。とくに、集合住宅やマンションなどで、ペットや小さなお子さんと暮らしているお住まいにはおすすめです。
参考:日本カーペット工業組合